データ: 情報主導型企業の鼓動

2017年9月20日投稿 by 俵 雄一

人間の心拍数は、1日に10万回以上、1年ではおよそ4,000万回、生涯を通じて30億回にもなります。人間の心臓と同じように、データは「鼓動」して、デジタル経済を動かし、顧客主導の経済を実現しています。

複数の調査で、戦略的な意思決定をデータ主導で行っている企業は、生産性が最大で33%向上することが明らかになっています。[1] 同時に、ビッグ データおよびアナリティクス市場はIDCの予測を50%上回って拡大しており、2019年までに世界全体でビック データ市場が約1,870億ドルに達すると予測されています。

企業はデータを活用することで、競争が激化し、先行きの見えない複雑な時代を克服し、先手を打たなければ、やがて事業活動が行き詰まります。CEOはその必要性を認識していますが、データ活用の方法が分からず、頭を悩ませています。

増加するデータ量: 血液が身体を流れるように企業内を流動

デジタル経済のデータ量は増加し続け、増加のスピードも急激に加速しています。心臓の鼓動のように、データは企業内を絶え間なく流動し、事業や意思決定に必要な洞察をもたらします。

データ プールは、心室と同じようにデータを「送り出して」有益な情報を抽出します。これは、心臓が血液に酸素を供給し、人間の体全体に血液を送るのと同じ方法です。企業が情報を活用して賢明かつ影響力のある経営判断を下すには、データを解析し、有益な情報に変換しておく必要があります。データ量は増加しているため、この膨大なデータの流れを管理する能力が事業継続の鍵となります。

データの種類: 今日の企業を存続させる情報を抽出

IDCアナリストによると、データを解析している組織は、分析指向が低い同業他者よりも、2020年までに4,300億ドル多く、収益を拡大すると予測しています。[2] これは、企業がデータ分析を活用して情報主導で意思決定している場合の具体的な成果を示しています。これをデータに酸素が送り込まれていると考えてみてください。血液が身体の他の部分に生命の源となる成分を送ったり運んだりするのと似ています。

ただし、データを見解にまとめる前に、企業の各部門のデータプールからデータを抽出する必要があります。血液を身体の他の部分に届ける前に、まず血管を通して酸素を受け取るために血液を心臓に送る必要がありますが、多岐にわたる情報を集めて役員会議を通し、情報を抽出するのと非常に似ています。次に、この情報は「酸素を与え」られ、判断力で強化されて、最適な経営判断を可能にします。

問題は、企業のデータが一様ではないということです。今日、企業のデータは、その形式、保管方法、保管場所、アクセス方法などが多岐にわたっており、どの企業にとっても厄介な課題となっています。すべての情報をいかに解釈するかが重要となっています。

企業はハイブリッドITインフラ環境に移行しつつあるため、データの管理がますます複雑化しています。何千ものアプリ、ユーザー、プロセス、規制を抱えた企業にとっては、今がデータ戦略を考え直す絶好のタイミングです。

管理の行き届いたデータのスピード: 静脈を流れるデータ

データから有益な洞察を抽出したら、企業のさまざまな部門で活用して収益性と経営効率を高めることができます。このようなデータ分析の結果がどれだけ速く企業全体に行きわたるかは、リーダーがデータファーストの文化を企業全体にどれだけ迅速に深く根付かせるかにかかっています。

最終的には、データファーストの考え方とアプローチを十分に具現化する経営陣とワークフォースが、企業のあらゆる部分でイノベーションを推進します。さて、どこから始めたらよいでしょうか。データ主導型の経営を支えるために、スタッフは適切なデータスキル、必要なITインフラ、データを保護するための十分な健全性チェックを提供します。これらはすべて、綿密性に欠けていることが多いデータ戦略に伴って発生するデータ漏えいや不適切な管理から生じる損失の軽減に役立ちます。

企業の鼓動としてのデータ:  ビタミンの服用とワクチンの接種

データの完全性が企業の存続にいかに重要であるかを考えると、ダウンタイムの可能性を減らし、生産性の損失や事業における災難を回避できるように整備したデータ保護戦略は、人間にとって病気予防のための検診や血液検査と同様、極めて重要です。

企業データは、さまざまな場所、ファイル形式、リカバリモードで存在しているため、企業は自社のデータ戦略を考え直す必要性が高まっています。つまるところ、企業の鼓動は止められないのです。

[1] The Big Data Payoff: Turning Big Data into Business Value. Capgemini. 2016
[2] IDC FutureScape: Worldwide Big Data and Analytics 2016 Predictions. IDC. 2016