データ管理システムが「問題なく機能する」レベルで満足してはいけない理由

2017年10月20日投稿 by 俵 雄一

企業のエグゼクティブの皆様とお話しすると、自社のデータ管理システムにかなり満足しているとおっしゃる方が多いです。ビジネス上の金銭的な損失を招くシステム停止が起こらず、話題になった最近のマルウェア攻撃も受けていません。そのため、「データ管理システムは問題なく機能しているのに、なぜうまくいっているものに手を入れる必要があるのか」と彼らは言います。

実際、おそらくそのとおりなのでしょう。

しかしいつから、「問題なく機能する」が目指すべきレベルになったのでしょうか。組織がデータをビジネスのあらゆる場所で活用したいなら、データ管理システムは単にデータを整理、検索、分類する以上のことができなくてはなりません。経営陣が策定した首尾一貫した戦略に基づいて、単一の包括的プラットフォームでデータを管理、保護、展開できる必要があります。このような戦略的(戦術的ではなく)なフレームワークなしには、データ資産から最大の価値を引き出し利用するために悪戦苦闘することになるでしょう。現在のようにデータが複雑になっている時代においては、単に「やりくりできる」だけでは不十分なのです。

しかし、第一に、企業は自社のデータ管理システムが「問題なく機能する」以上のものになれない原因を考える必要があるのです。
 

レガシー システムに甘んじない姿勢

最も先進的な考えをもつ進歩的な金融機関でさえ、バック オフィスはいまだに、今日の俊敏な職場環境を考慮して構築したとはいえないシステムに依存しています。これらのレガシー システムは、アップデートと保守にコストがかさみ、将来のビジネス需要に対応できるよう構築された、柔軟性の高い新たなシステムとの統合が困難です。その上、これらの多くは特定の問題を解決するように設計されているため、包括的なソリューションを構築するには多数の異なるベンダーが提供する数多くのサイロ化したソリューションを結び付ける必要があります。元々複雑な環境をますます複雑にしています。

これは予算獲得の綱引き競争を引き起こし、データ担当責任者はますます少なくなる予算をやりくりして、間に合わせのソリューションを運用していかなければなりません。また、企業の規模が拡大し、ニーズが変化する時には、とりわけシステムの柔軟性の欠如がデータのアクセスとコンプライアンスの問題を生みます。

なぜ、これだけ多くの異なるベンダーが使われているのでしょうか。時代遅れになり分散したこれらのシステムは、企業のプロセスと奥深く絡み合っていることが多いため、取り除くことは不可能なように思われます。変更することは厄介で高くつき、新しいシステムを入れたところでその成果も保証されないと、エグゼクティブたちは考えがちです。

このような理由から、非常に多くの企業は、期待値を上回るのでなく、期待値にかろうじて合致したデータ管理システムで満足しているわけです。
 

プラットフォームのアプローチを採用

レガシー ベンダーは、事前に決定した道をベンダーと共に手に手を取って進む他に選択肢はないと信じ込ませているかもしれません。ベンダーの営業担当者は実際に、そう信じさせるように訓練されているのです。道を進んでいくとある時点で、レガシー ベンダーは企業に、データでできることとできないことを語り始めます。そして意思決定者は、そうしたレガシー アプリケーションがビジネスに不可欠であるために、彼らの言うことを信じてしまいます。

しかし、他にもっと良い道があるとしたら、どうでしょう。データを管理、保護、統制する、総合的なアプローチです。それは、環境を徹底的に簡素化して組織が戦略的データ資産から最大限の価値を引き出せるようにすることで、大きな利益をもたらすようなアプローチです。

そのようなより良い方法は存在します。プラットフォーム アプローチと呼ばれるもので、単一で高機能なプラットフォーム上にすべてのデータを整理する方法です。これにより、変化に迅速に対応できるようになります。プライバシー規則が厳格になり、インフラは高度化し、多くの企業がクラウドに移行するなど大きな構造的変化が起きていることで、データ管理の環境は日に日に複雑さを増しています。その一方で、データ管理はビジネス機能においてますます重要になり、短時間のシステム停止やちょっとしたセキュリティ脅威でも企業運営に深刻な打撃を与えます。

組織がどの方向に向かっているのかを誰よりもよく知っているのは、その組織の責任者です。組織には固有のデータがあります。企業がプラットフォーム アプローチを採用すれば、自らのニーズに基づいてデータ管理システムの設計を可能にする、モジュール式の柔軟なソリューションがあります。技術の変化による拡張や進化に対応した成長が不可能な静的なレガシー ソリューションに囲い込まれる必要はありません。「問題なく機能する」レベルに甘んじる必要はないのです。
 

「触らぬ神にたたりなし」を打破

「問題なく機能する」より良い未来を想像してみてください。ビジネスの取り組みや変革プランに同調するあらゆるベンダーと協業できる未来です。あらゆるクラウド サービス プロバイダーと、クラウド上で、クラウドに対して、あるいはクラウドから、仕事ができるのです。データは移動型です。必要に応じてアプリケーションをオン/オフできます。異なるサービスの間を行き来し、異なるプロバイダー間のワークロードのバランスを取れます。一度に複数のモデルを採用できます。そして、この想像上の未来に存在するモデルだけではありません。想像上の未来が想像する未来に存在するモデルすら利用できるのです。

未来の課題に対応するためには、コンプライアンスやセキュリティの問題を避け、データが安全に機能するようにしなくてはなりません。適切なデータに適切な時にアクセスでき、さまざまなデータ ソースを組み合わせてビジネスに関する必要な洞察を引き出せることが要求されます。端的に言えば、必要な柔軟性を提供する優れたデータ プラットフォームが必要なのです。今こそ、そうしたプラットフォームの構築を開始し、「問題なく機能する」から一歩進むべき時です。

要するに、データも、情報も、戦略もあなたのものなのですから、現在も未来も、主導権はあなたにあります。技術は急速に変化しており、組織のニーズも進化していくでしょう。ベンダーという、あなたと目的を共有しない他の組織と歩調を合わせ、ロックインされたままでもよいのでしょうか。そうではないはずです。