Commvault v11 Service Pack 10 新機能概要
2017年12月15日にリリースしたCommvaut v11 Service Pack 10 (SP10) の新機能概要を、下記にてご紹介させていただきます。対応要件等の各機能の詳細は、こちらからご確認ください。
デプロイメント
- CommCell コンソールから、外部キー管理サーバーの管理をする - CommCell コンソールから、外部キー管理サーバーを追加、変更、削除することができます。またCommCell コンソールから、キー管理サーバーとストレージ ポリシー コピーを連携することも可能です。
- MSP環境におけるノートPCユーザーのシンプルなオンボーディング - MSP (マネジメント サービス プロバイダー) 環境における新しいノートPCカスタマーのオンボード プロセスがシンプルになりました。認証コードを使って複数のテナントがインストールすることができるCommvaultソフトウェア共通のインストレーション パッケージを作成することが可能です。
新しいユーザーを追加し、外部ディレクトリー サービスを使用しているユーザーを自動アクティベートしたり、またはCommCellデータベースへのローカル ユーザーの自動アクティベートが可能です。
CommCell管理
- サーバー廃棄用ワークフロー - サーバーの廃棄用ワークフローは、CommCell環境からクライアントを削除させ、選択したユーザーのリストにメールを送信します。
主な機能:
本ワークフローは、下記のタスクを自動実行します。- クライアント上の全てのアクティビティの無効化
- 監査ノートの更新
- ジョブの保持期間の設定
- クライアント ライセンスのリリース
オプションで、承認段階をトリガーとするワークフローを必須とすることができます。
ServerとMediaAgent
- グローバル ポリシーのデータ暗号化設定 – グローバル重複排除ポリシーまたはグローバル セカンダリー コピー ポリシーにデータ暗号化を設定することができます。グローバル セカンダリー コピー ポリシーのデータ暗号化設定を有効にすると、グローバル セカンダリー コピー ポリシーで定義されている暗号化方式で、関連するセカンダリー コピーのデータを再暗号化することができます。さらに、グローバル セカンダリー コピー ポリシーの暗号化設定をオーバーライドし、異なる設定を構成することもできます。
バックアップ エージェント
- SQL Server AgentでLinux版SQL Server 2017を新規サポート - 下記のLinuxプラットフォームで実行しているSQL Serverデータベースで、従来からのバックアップ オペレーションとリストア オペレーションを実行することができます。
- Red Hat Enterprise Linux 7.3/7.4のWorkstation、Server、Desktop
- SuSE Linux 12 SP2 Enterprise Server
- Ubuntu 16.04 LTS
- プラガブル データベース トラッキング機能によるOracle 12マルチテナントのサポート - Oracleは、Oracle 12cでマルチテナント機能をリリースしました。マルチテナント機能には、主に下記2つのデータベースがあります。
- コンテナ データベース (CDB): CDBには、コントロール ファイル、ディクショナリ、REDO ログなどデータベースの実行に必要なファイルが含まれています。ひとつのCDBに、1つもしくはそれ以上のプラガブル データベースを含めることができます。
- プラガブル データベース (PDB): PDBには、データファイルとテーブルスペースが含まれています。PDB は、CDB のコントロール ファイルを使用するので、コントロール ファイルは含まれていません。それぞれのPDBは、ユニークなデータベース IDを持っています。
Oracle 12cを使用している場合、ひとつのCDBからPDBを削除し、そのPDBを新しいCDBへ接続することでソフトウェアのパッチ適用やメンテナンスをシンプルに行なうことができます。PDBを新しいCDBインスタンスへ移動する際、Oracleは、データベース バックアップ情報をオリジナルのCDBインスタンスから削除するので、新しいCDBインスタンスがそのバックアップ情報で更新されなくなります。Commvault Oracle Agentソフトウェアは、PDBとそのコンテナ データベースを、ある特定時点でトラッキングし、ポイントインタイム リストア オペレーションが行なえるようCDBを特定することができます。
Commvaultソフトウェアは、バックアップ データにPDBデータベースIDを含めることができます。コマンド ラインからスクリプトを実行することで、下記のPDB情報を表示することができます。
- バックアップを実行したクライアント名
- Oracleインスタンス名
- Oracle PDB名
- バックアップ作成時間
- バックアップ終了時間
- PDBデータベースID
この情報を取得後、RMANスクリプトを実行すれば、PDBを新しいCDBに接続、もしくはPDBをクローンすることができます。
- Oracle データベースの、Oracle CloudのOracle Database as a Serviceへの移行をサポート – Adminコンソールから、Oracle データベースをOracle Database as a Serviceへ移行することが可能です。
以下のシナリオにおいてアプリケーション マイグレーション機能を使用することができます。- データセンターを移動もしくは利用を終了する場合
- 開発またはテスト用のクラウドで、本番システムのクローンを作成したい場合
- ディザスタ リカバリ用にスタンバイ インスタンスを作成したい場合
主な機能:
Commvaultソフトウェアは、以下のプロセスを自動化します。
- Oracle DBaaSへCommvault Oracle Agentソフトウェアをインストールし、移行したデータベースでバックアップを実行すること
- アプリケーション サーバーの物理構成を取得すること
- アプリケーション データを保護すること
- Oracleサービスとデータベースを作成すること
- ストレージをプロビジョニングすること
- データをリストアすること
- リストア オペレーションの有効性の確認
- SQL Server AgentでWindows 版Microsoft SQL Server 2017を新規サポート - SQL Server AgentでWindows 版Microsoft SQL Server 2017をサポートしました。
- SQL Management Studio Plug-InでSQL Server 2016とSQL Server 2017を新規サポート - SQL Management Studio Plug-InでSQL Server 2016とSQL Server 2017をサポートしました。
アーカイブ エージェント
- Exchange Mailbox Agent ContentStore Mailbox Showcase - Exchange Mailbox Agent ContentStore Mailboxは、SMTPベースのジャーナリングを提供します。ジャーナリングされたメッセージは、SMTPプロトコルを使って、メール サーバーからCommvault ContentStore Mail Server (SMTP) 上のメールボックスに送られます。
ContentStore Mailbox Showcaseは、ContentStore Mailboxがジャーナリングされたメッセージをどのようにアーカイブするかライブ デモを提供します。Showcaseには30 日間の無償試用期間が提供されており、事前設定したContentStore Mailbox環境で、自分のデータを利用しテストすることができます。
主な機能:
ContentStore Mailboxを使用して、下記を行うことができます。- Exchange サーバーにExchange Enterprise クライアント アクセス ライセンス (CAL) がなくても、ルールベースのジャーナリングの実行が可能
- ジャーナリングしたメッセージのアーカイブとインデックス
ContentStore Mailboxは、下記をサポートします。
- メタデータ、コンテンツ検索、プレビュー、ダウンロード
- P1ヘッダーのインデックス化による検索
さらに、Office 365 with Exchange、オンプレミスのExchangeサーバー、Exchange以外のメール サーバーを使ってジャーナリングされたメッセージをアーカイブすることができます。
- ファイル ディスカバリー、アーカイブ、クラウドへのデータ移行 - ファイル ディスカバリーとアーカイブ ソリューションは、WEBベースのユーザー インターフェースを使って、組織のファイル サーバーに保存されたコンテンツや構造を把握、分析し、ストレージ容量の節約の必要性を予測することができます。ファイル ディスカバリー ソリューションは、データ ディスカバリー ジョブを実行し、データを収集します。そして、アーカイブ ソリューション ダッシュボードで、収集したデータに関する総データ量、データの種類、データが作成されてからの年数、データ サイズといった統計情報を見ることができます。
さらに、クラウド ストレージへデータをアーカイブし、長期間データを保持することも可能です。
注記: アーカイブ ソリューションでコンテンツを分析するために、個別にバックアップ オペレーションを行う必要はありません。
主な特徴:
ファイル ディスカバリーとアーカイブ ソリューションは以下の機能を提供します。- アーカイブ オペレーションを実行前後を可視化可能なレポート
- 組織の要求に合うよう変更可能なルール
- アーカイブしたデータ、アーカイブ予定のデータ、ディスクに残る予定のデータの表示
仮想化
- VMware向け、プロキシーESXiホストが不要なIntelliSnapバックアップ オペレーションとバックアップ コピー オペレーションを実行 - VMwareの場合、デフォルトでは、プロキシーのESXi ホストへスナップショット データストアをマウントすることなく (プロキシーレス バックアップ)、IntelliSnapとバックアップ コピー オペレーションを実行することができます。ESXi ホストへマウントする必要がないプロキシーレスの場合、IntelliSnapとバックアップ コピー オペレーションの間、下記が発生します。
- IntelliSnapオペレーション: すべての変更ブロック (Changed Block Trackingを用いた増分バックアップにより取得されます) がXMLファイルに保存され、それからIndex Serverへアップロードされます。データの読み込みには、ファイル システムAPIが使用されます。
- バックアップ コピー オペレーション: スナップショット データストアは、VSAプロキシー マシンのローカルにマウントされます。プロキシーESXi ホストへのマウントは発生しません。データの読み込みには、ファイル システムAPIが使用されます。
主な機能:
プロキシーのESXiホストへスナップショット データストアをマウントしないメリットは下記の通りです。
- マウントしたスナップショットからではなく、スナップショット バックアップ オペレーション時に、Virtual Machine File System (VMFS) と Changed Block Tracking (CBT) の情報を取得できます。
- IntelliSnapバックアップ オペレーションは、より長い時間が掛かるようになりますが、VSAプロキシー サーバーへデータストアをマウントするのに必要な時間がかなり削減されます。全体として、バックアップが高速化されます。
- 再スキャン、リフレッシュ オペレーションが不要になります。(これは、マウント/アンマウント オペレーション後に起こるものです)
- プロキシーとして利用するための追加のESXiホストが不要です。 (ハードウェアとライセンス)
- 本番用ESXiホスト コンピュータをプロキシーとして平行利用する必要がありません。
ディザスタ リカバリ
- Active Directory フォレストのワークフローを使った複数のドメイン コントローラーのリストア – 災害が発生した場合、事前定義されたワークフローを使い、システム ステート データを含む複数のドメイン コントローラーのリストアを連続して行うことができます。管理者は、CommCell コンソールからActive Directory Forest Restoreワークフローを設定することができます。
Active Directory Forest Restoreワークフローは、最新のフル システム ステート バックアップを使用し、クライアント コンピュータにインプレースでデータをリストアします。このワークフローは、データを複数のコンピュータに同時にリストアする際にも利用可能です。
主な機能:
Active Directory Forest Restoreワークフローを使用すると以下のメリットがあります。- 災害発生時、ドメイン コントローラーとシステム ステート データを、クライアント コンピュータにリストアすることができます。
- 複数のドメイン コントローラーを同時にリストアすることができます。