第12回 ここが知りたかったよ、Commvault ! (その2)

第12回となる今回は、「ここが知りたかったよ、Commvault! (その2)」と題して、Commvaultの技術的な小ネタをご紹介していきます。以前、第3回のブログを同様のタイトルでお送りしましたが、今回はまた別の小ネタをご紹介していきます。 

Commvaultをファイルやフォルダのバックアップ目的でお使いの中で、こんなことを思ったことはありませんか。

  • Commvaultでバックアップを実行した後のジョブの履歴をよく確認すると、「エラー: 0フォルダ、1 ファイル」のような表示が出ていた。ジョブ自体は「完了」のステータスになっていた。ジョブが「失敗」でなく「完了」しているのに、1個のファイルのバックアップに失敗しているようにも見える。これはどういう状態なの? [解決法へ..]
     
  • バックアップ対象の中に空ディレクトリのみを追加して増分バックアップを行った。バックアップ ジョブは完了しているが、[バックアップ項目の表示] のメニューを使って内容を確認すると何もバックアップされていない。Commvaultの増分バックアップは空ディレクトリをバックアップしないの? 空ディレクトリを増分バックアップで取得する方法はないの? [解決法へ..]

今回のブログではこの2つの疑問にお答えしていきます。 


(1) ファイル システムのバックアップの「エラーのしきい値」の設定

Commvaultでバックアップ ジョブを実行した後に「ジョブ詳細」の「進行状況」の画面を確認すると、以下のようにジョブが「完了」した状態にも関わらず、エラーの箇所に「1 ファイル」のように表示され、1つのファイルのバックアップに失敗したことが確認できる場合があります。 

実は、Commvaultには「エラーのしきい値」と呼ばれる設定があります。WindowsやUNIX系のファイルシステムのバックアップの場合、デフォルトの設定では、失敗したファイルの数が100より多く、かつ、失敗したファイルの割合が50%よりも多い場合、バックアップジョブは「エラーありで完了」の状態となります。この条件に合致しない場合は、エラーとなりバックアップできなかったファイルが存在している場合でも、冒頭の画面ショットでご紹介したように、ジョブは「完了」の状態となります。

この「エラーのしきい値」の設定を確認したい場合、CommCell Console上部のリボンから「コントロール パネル」をクリックし、表示される「コントロールパネル」のウィンドウで「ジョブ管理」をクリックします。その後、「ジョブ管理」のウィンドウの[エラー時ジョブ ステータス]タブをクリックします。そうすると、以下の画面が表示されます。 

ここでは、Windowsファイル システムに対する設定を確認する方法をご紹介します。左側のグループ カテゴリで「Windows ファイル システム」を選択した状態で、右側の[エラーのしきい値]タブを選択します。

この画面では、カウントの値が100、割合の値が50等と表示されている行が存在します。

以下のように、この行を選択してから、[編集]をクリックします。

そうすると、以下のような画面が表示され、失敗したファイルの数が100より多く、失敗したファイルの割合が50%より多い場合に、エラーありで完了となるようにしきい値が設定されていることが確認できます。

ここでは一例として、このしきい値を変更し、冒頭の例のように1つのファイルのバックアップでもエラーになった場合にジョブを「エラーありで完了」とする設定方法をご紹介します。1つのファイルのバックアップでもエラーになった場合にジョブを「エラーありで完了」としたい場合、「失敗したファイルの数がより多い」の値と「失敗したファイルの割合がより多い」の値の両方を、以下の画面のように0に変更します。

その後、この「ジョブエラーしきい値ルールを編集します」のウィンドウ下部の[OK]をクリックし、さらに、「ジョブ管理」の画面で[OK]をクリックすることで設定変更は完了です。

この設定変更を実施してからバックアップジョブを実行すると、1つのファイルがエラーでバックアップに失敗した場合でもジョブの状態は「エラーありで完了」となり、設定変更したしきい値のルールによりエラーありで完了となったことが確認できますので、発生しているエラーをこれまでより気づきやすくすることができます。  

補足ですが、この設定はWindowsとUNIX系で別々に存在しており、UNIX系のファイルシステムでも同様にデフォルトの設定は、失敗したファイルの数が100より多く、かつ、失敗したファイルの割合が50%よりも多い場合となります。UNIX系のファイルバックアップ時のエラーのしきい値を変更したい場合は、「ジョブ管理」の画面の左側の「グループ カテゴリ」で「Unix File System」を選択し、同様の設定変更を実施することになります。 


(2) 増分バックアップ時に空ディレクトリを取得するための追加設定”nAllowFolders”

Commvaultはデフォルトの設定では、バックアップ対象の中に空ディレクトリを追加して増分バックアップを行った場合、その空ディレクトリはバックアップしません。そのため、空ディレクトリのみ追加した後に増分バックアップを行うと何もバックアップされていない、という状況が起こります。

例えば、空ディレクトリのみ追加した後に増分バックアップを実行し、そのバックアップ履歴を右クリックして[バックアップ項目の表示]を選択してみます。 

そうすると、以下のように”No backups found for the chosen time range”と表示され、何もバックアップされていないことが確認できます。 

増分バックアップで空ディレクトリのバックアップを行いたい場合、対象のクライアントに対して”nAllowFolders”という追加設定を追加し、値を1に設定します。

具体的な手順ですが、CommCell Consoleの左側に表示されているクライアントから設定対象のクライアントを右クリックし、表示されたメニューから[プロパティ]を選択します。

表示された「クライアント コンピュータ プロパティ」のウィンドウ下部にある[詳細]をクリックします。 

そうすると、以下のように「詳細クライアント プロパティ」のウィンドウが表示されますので、ウィンドウ下部の[追加]をクリックします。

[追加]をクリック後には、「追加設定を追加」のウィンドウが表示されますので、右上の[検索]をクリックします。

[検索]をクリックすると、以下のように「追加設定を検索」のウィンドウが表示されます。

ここで、今回の目的の追加設定である”nAllowFolders”を探す場合、左下の「検索」の欄に”nAllowF”と入力します。そうすると、以下のように”nAllowFolders”のみに表示が絞られますので、これを選択してから右下の[OK]をクリックします。

そうすると、以下のように”nAllowFolders”が指定された状態で「追加設定を追加」のウィンドウに戻ります。

ここで、「値」のリストから1を選択します。

値が1になったことを確認し、コメントの箇所に任意の文字列を入力します。コメントの入力後、[OK]をクリックします。

[OK]をクリックすると、「詳細クライアント プロパティ」のウィンドウに戻りますので、”nAllowFolders”の値が1になっていること、「有効」にチェックが入っていることを念のため確認した上で、右下の[OK]をクリックします。

「クライアント コンピュータ プロパティ」のウィンドウに戻ってきますので、ウィンドウ下部の[OK]をクリックします。これで増分バックアップ時に空ディレクトリを取得するための”nAllowFolders”の設定は完了です。

この設定後、バックアップ対象に含まれる空ディレクトリが増分バックアップで取得されます。確認のため、増分バックアップ実行後、そのバックアップ履歴を右クリックして[バックアップ項目の表示]を選択してみます。

この例では、筆者はC:\datafolder01というディレクトリおよびそのサブディレクトリのコンテンツを全てバックアップ対象に設定しており、この中に、C:\datafolder01\empty02 という空ディレクトリを追加していたのですが、バックアップされた項目の中にこの空ディレクトリが含まれており、増分バックアップで取得されたことが確認できました。

 

今回は知らないとなかなか気づきにくいCommvaultの技術的な小ネタをご紹介しました。Commvaultを購入する前に評価する場合、購入後に運用されている場合のどちらでも役立つ情報かと思いますので、ご参考になりましたら幸いです。 

※このブログでご紹介している画面ショットは、Commvault v11 Service Pack 13の環境で確認したものです。
※このブログ中で紹介している画面ショットには、一部ぼかしが入っておりますことをご了承ください。

【参考資料】

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Posted on 2019.03